コラム

顎関節症のセルフケア|自分でできる対処法と受診を考える目安

顎を動かすとカクッと音が鳴る、朝起きると顎がこわばっている、口を大きく開けると違和感がある——こうした症状に気づくと、「病院に行くほどでもないけれど、このまま放っておいて大丈夫かな」と不安に感じる方は少なくありません。顎関節症は、毎日の癖や生活習慣が関わっていることが多く、軽い段階であればご自身のセルフケアで負担をやわらげられる場合があります。この記事では、顎関節症のセルフケアとして自宅でできる対処法と、歯科への受診を考えたい目安を中心に、当院で行う検査・治療についてもわかりやすくご説明します。

顎関節症のセルフケアとは?自分でできることの範囲

顎関節症のセルフケアとは、顎の関節や周囲の筋肉にかかる負担を、日常の中で自分から減らしていく取り組みのことです。顎関節症は、顎の関節そのものだけでなく、その周りの筋肉のこわばりや、無意識の癖が大きく関わっています。そのため、正しい知識をもって癖や動かし方を見直すだけでも、こわばりや軽い痛みがやわらぐことがあります。
ただし、セルフケアで対応できるのは、あくまで症状が軽い段階や、悪化を防ぐための日常管理の部分です。
当院では、顎の状態を確認したうえで、必要な検査・治療とあわせて、ご自宅で取り組めるセルフケアについてもお伝えしています。まずは、次にご紹介する4つの方法を確認してみましょう。

上下の歯を接触させる癖に気づく

上下の歯を接触させる癖に気づく

顎関節症のセルフケアで最初に見直したいのが、上下の歯を無意識に接触させ続ける癖です。本来、口を閉じて力を抜いているとき、上下の歯はわずかに離れているのが自然な状態で、歯どうしが触れているのは食事や会話のときなど1日のうちごく短い時間です。ところが、パソコン作業や家事などに集中しているときに、無意識に歯を触れ合わせたまま過ごしてしまうことがあります。この状態が続くと顎の筋肉が休まらず、こわばりや疲れの原因になります。この癖は「歯の接触癖(TCH)」と呼ばれます。
まずは自分にこの癖があるかどうかに気づくことが第一歩です。パソコンの画面や冷蔵庫、洗面所の鏡など、日常でよく目にする場所に「歯を離す」と書いた小さなメモを貼り、目に入るたびに口元の力を抜いて上下の歯をそっと離してみましょう。気づいて力を抜くことを繰り返すうちに、歯を接触させない状態が少しずつ習慣になっていきます。

口を開きにくいときの開口訓練

口を開けにくい、開けると引っかかる感じがするというときには、顎の動きを少しずつ広げる開口訓練がセルフケアとして役立つことがあります。開口訓練は痛みの出ない範囲で、顎の動きをやさしく取り戻していくのが基本です。
やり方の一例として、まず鏡を見ながら、痛みが出ない範囲でゆっくり口を開き、その位置で数秒とめてから、ゆっくり閉じます。急に大きく開けたり、勢いをつけて動かしたりするのは避けてください。訓練中や訓練後に強い痛みが出る、音が大きくなるといった変化がある場合は中止してください。

顎まわりの筋肉をやさしくほぐす

顎関節症では、関節そのものよりも周囲の筋肉のこわばりが症状に関わっていることがよくあります。こめかみから頬にかけての筋肉や、耳の少し前あたりの筋肉が張っていると、顎の動かしづらさや重だるさの一因になることもあるのです。
頬やこめかみのあたりに指の腹を軽く当て、痛気持ちいいと感じる程度の弱い力で、円を描くようにゆっくりとほぐします。入浴中や入浴後など、体が温まって筋肉がゆるみやすいタイミングに行うと取り入れやすいでしょう。強く押しすぎたり、長時間続けたりすると逆に筋肉を痛めることがあるため、あくまで軽い力で短時間にとどめます。

食事や姿勢など生活習慣を見直す

食事や姿勢など生活習慣を見直す

食事や姿勢、睡眠などの生活習慣を見直すことも、顎への負担を減らすうえで大切です。症状が気になる時期は、フランスパンやするめ、厚みのあるハンバーガーなど、強く噛んだり大きく口を開けたりする食べ物は控えめにしましょう。長時間噛み続けることも顎の筋肉への負担になるため、食材を小さめに切る、やわらかく調理するといった工夫も役立ちます。
また、頬づえやうつぶせ寝、いつも同じ側で噛むといった癖も見直してみてください。緊張やストレスが強いと無意識の食いしばりや歯ぎしりにつながることがあるため、就寝前に肩や首の力を抜く、湯船につかるなど、体をリラックスさせる時間をつくることも意識してみましょう。

顎関節症で受診を考えたい目安

顎関節症は、生活習慣の見直しやセルフケアで軽い症状が落ち着くこともあれば、負担が続くことで痛みや動かしづらさが強まっていくこともあります。「音が鳴るだけだから」と長く放置すると、口が開けにくくなったり、痛みで食事がしづらくなったりして、日常生活に影響が出てくることもあります。頭痛や肩こりといった顎以外の不調につながることもあるため、気になる状態が続くときは早めに向き合うことが大切です。
次のような場合は、セルフケアだけで様子を見続けず、歯科での相談を検討してください。口を開けると強い痛みがある、指2本分ほども口が開かない、顎が引っかかって動かせなくなることがある、症状が数週間たっても改善しない、食事や会話に支障が出ている——こうしたサインがあるときは、自己判断で我慢を続けるより、一度検査を受けたほうが安心です。予定していたセルフケアで悪化を感じたときも、続けずにご連絡ください。状態を確認しながら、次にどうするかを一緒に考えていきます。

当院で行う顎関節症の検査・治療

当院で行う顎関節症の検査・治療

当院では、まず問診で症状や生活習慣、歯ぎしり・食いしばりの有無などをおうかがいし、必要に応じてレントゲンやCTで顎関節の状態を確認します。歯ぎしりや噛み合わせの負担が関わっている場合には、顎にかかる力をやわらげるマウスピースを用いた治療をご提案することもあります。治療と並行して、ご自宅で続けていただけるセルフケアの方法もあわせてお伝えし、再発しにくい状態を目指していきます。顎関節症の検査や治療の詳しい流れは、顎関節症の診療ページもあわせてご覧ください。

顎関節症のセルフケアに関するよくある質問

顎がカクカク鳴るだけで痛みはありません。放置しても大丈夫?

音だけで痛みがなく、日常生活に支障がない場合は、必ずしもすぐに治療が必要とは限りません。ただし、音が続く場合や、痛み・口の開けにくさが出てきた場合は、一度ご相談ください。

市販のマウスピースを使ってもいいですか?

市販品はお口に合っていないと、かえって顎や歯に負担をかけてしまうことがあります。顎関節症に対して用いるマウスピースは、症状や噛み合わせにあわせて調整することが望ましいため、使用を検討される場合は、まず歯科でご相談いただくことをおすすめします。

顎関節症にお悩みの方はあらいデンタルクリニック蒲田へ

顎の音やこわばり、軽い痛みは、正しいセルフケアで負担をやわらげられることがあります。一方で、セルフケアだけでは改善しにくい症状や、原因の見きわめが必要な場合もあります。当院は蒲田駅東口から徒歩2分の場所にあり、通勤や通学、お買い物の際にも立ち寄りやすい立地です。 「これはセルフケアで様子を見ていいのか」と迷ったときも、どうぞお気軽にご相談ください。今の状態を一緒に確認しながら、ご自身でできるケアと必要な治療を無理のない形でご提案いたします。

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