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歯周病は自覚症状が少なく、気づかないうちに悪化して抜歯が必要になることがあります。「まだ歯を残せるのか」「抜歯後はどうなるのか」と不安を抱く方も多いでしょう。本記事では、抜歯が必要な症状や残せるケース、抜歯後の治療方法までをわかりやすく解説します。
歯周病で抜歯が必要になるのはどんな症状?

歯周病は進行しても強い痛みが出にくいため、気づかないうちに悪化してしまう病気です。そのため「抜歯が必要」と診断されて初めて深刻さを実感する方も少なくありません。次のような状態だと、歯を残すのが難しく、抜歯が必要になることがあります。
歯が大きくグラついて日常生活に支障がある
歯を支える骨が弱ると歯がグラグラし、硬い物が噛めない、発音がしにくいなどの支障が出ます。
歯を支える骨(歯槽骨)が大きく溶けている
レントゲンで骨の吸収が大きいと診断されると、歯を安定して残すことが難しくなります。
歯ぐきから膿や強い炎症を繰り返している
歯周ポケットに細菌が溜まると膿や腫れを繰り返し、周囲の組織にも悪影響を及ぼします。
こうした症状に心当たりがある方は、早めに歯科医院で精密検査を受けることが大切です。
歯周病で抜歯が必要かどうかの判断基準
歯周病で「抜歯が必要かどうか」を判断するには、歯科医院で行う検査が欠かせません。特に数値や画像で客観的に確認できる指標があり、これによって歯を残せるかどうかの見極めをします。
歯周ポケットの深さと抜歯リスク(6mm以上は要注意)
歯と歯ぐきの間にできる歯周ポケットが深くなるほど、細菌が溜まりやすくなります。一般的に6mm以上の深さになると歯を支える組織が大きく破壊され、治療で改善が難しいケースが多くなります。
骨吸収の進行度
レントゲン検査では、歯を支える骨(歯槽骨)がどの程度失われているかを確認できます。骨の吸収が歯根の半分以上に及んでいる場合は、歯を安定して残すことが難しく、抜歯を検討せざるを得ないケースもあります。
数値や画像での診断は、患者様自身も状況を理解しやすく、治療方針を決める大切な根拠になります。
歯を残せる可能性があるケースもある
「抜歯」と聞くと不安に感じる方は多いですが、すべての歯周病で抜歯が必要になるわけではありません。進行度によっては、適切な治療で歯を残せる可能性があります。
初期〜中等度の歯周病なら保存治療で改善可能
歯ぐきの腫れや出血が見られる段階であれば、歯石や細菌を取り除く処置を中心に進めることで、炎症を抑えられるケースがあります。歯を支える骨の吸収が軽度にとどまっていれば、抜歯を避けて改善できる可能性は十分あります。
スケーリングや歯周ポケット治療による回復
専用器具を使ったスケーリング(歯石除去)や、歯周ポケット内部を清掃するルートプレーニングを行うことで、歯ぐきが引き締まり、歯が安定することもあります。こうした治療は進行を止めるだけでなく、歯を長く残すために有効です。
「まだ抜かずに済むかもしれない」と希望を持てる段階もありますので、早めに受診して正確な診断を受けることが大切です。
歯周病で抜歯を避けるとどうなる?

「歯を抜きたくない」という気持ちは多くの方が抱きます。しかし、抜歯が必要な状態で放置すると、かえって周囲の歯や体全体に悪影響を及ぼすことがあります。
隣の歯まで歯周病が進行する
重度の歯周病を放置すると、感染源となった歯から隣の歯へ炎症が広がります。結果として健康な歯まで支えを失い、連鎖的に失うリスクが高まります。
噛み合わせや発音に悪影響が出る
抜歯を避けてグラグラの歯を残すと、噛む力のバランスが崩れやすくなります。発音が不明瞭になる、食事で十分に噛めないといった日常生活への支障も大きくなります。
糖尿病や心臓病など全身疾患リスクが高まる
歯周病菌による炎症は血流を通じて全身に影響を与えることが知られています。糖尿病の悪化や心疾患リスクの上昇など、口の中だけでなく体全体の健康問題に結びつく恐れがあります。
抜歯を先延ばしにするほど影響は広がるため、早めの診断と治療が重要です。
歯周病で抜歯した後の治療方法と生活の変化
歯周病で抜歯が必要になった後は、そのまま放置すると噛む力の低下や見た目の変化につながります。しかし、適切な治療を行うことで、生活の質を大きく回復させることが可能です。
入れ歯で噛む力を回復する
部分入れ歯や総入れ歯は、比較的短期間で導入できる方法です。取り外し可能なため清掃しやすく、初めて補綴治療を受ける方にも選ばれやすい治療法です。
ブリッジで失った歯を補う
両隣の歯を支えに人工歯を固定する方法です。しっかり噛めるようになり、見た目も自然に仕上がります。ただし健康な歯を削る必要がある点には注意が必要です。
インプラントで天然歯に近い機能を取り戻す
人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する方法です。見た目や噛み心地が天然歯に近く、長期的に安定した使用が期待できます。
抜歯後の治療方法には選択肢があり、自分に合った方法を選ぶことで安心して生活を続けることができます。
抜歯が必要かどうかは、正しい診断が大切です

「歯を残せるのか、それとも抜歯が必要なのか」を正しく判断するには、歯科医師による診断が欠かせません。自己判断や見た目だけでは進行度を正確に把握できず、対応が遅れると結果的に歯を失うリスクを高めてしまいます。
精密検査(歯周ポケット測定・レントゲン)の重要性
歯科医院では、専用の器具で歯周ポケットの深さを測定し、レントゲンで歯槽骨の吸収状態を確認します。これらの検査結果に基づいて、歯を残せるか、抜歯が必要かを総合的に判断します。患者様自身も数値や画像を見ることで、自分の状態を理解しやすくなります。
当院での歯周病治療と抜歯対応について
当院ではできる限り歯を残す治療を第一に考えています。しかし、やむを得ず抜歯が必要な場合も、術後の回復やその後の補綴治療までを一貫してサポートします。治療方針は丁寧にご説明し、不安を取り除いたうえで進めますので安心してご相談ください。
蒲田で歯周病治療なら、あらいデンタルクリニック蒲田へ
「歯を抜きたくない」「自分の歯を少しでも残したい」というお気持ちは、多くの患者様に共通しています。当院ではその思いに寄り添い、できる限り歯を保存する治療を重視しています。もちろん、抜歯が避けられない場合でも、その後の生活に不安が残らないよう丁寧にサポートいたします。
初診時には歯周ポケットの測定やレントゲン検査を行い、現在の状態を詳しくご説明します。そのうえで、保存可能な場合は歯周病治療を中心に、抜歯が必要な場合は術後の補綴治療(入れ歯・ブリッジ・インプラント)まで見据えたプランをご提案します。
WEB予約なら24時間いつでも受付可能、電話予約もお気軽にご利用いただけます。気になる症状がある方は、ぜひ一度当院にご相談ください。